Webマーケティングは、クライアントの課題や目的に合わせて「知識」「経験」を基に様々な手法で施策を行っていくため、「全くの未経験で今からすぐに副業で稼ぐ」というのは少しハードルが高いです。
とはいえ、Webマーケティングの本質を理解し、正しいステップで学習をすればスキル獲得は難しくありませんし、フリーランスとして独立を目指すこともできるため、「まずは副業からWebマーケティングを始めたい」という場合でもおすすめです。
副業でWebマーケティングを始めたいけれど、自分でもできる…？
Webマーケティングに興味があるけれど、何から手を付ければいいのか分からない。
完全未経験でWebの知識はないけれど、Webマーケティングで稼げるの？
この記事では、こんな風に考えている人のために未経験でWebマーケティングの副業を始めるための基本知識・必要なスキルを徹底解説していきます。
Webマーケティングの基本知識から仕事の取り方（営業方法）まで網羅していますので、これからWebマーケティングを副業で始めてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【基礎編】Webマーケティングとは？
まずは最初に「そもそもWebマーケティングが何を指すのかよく分からない…」という方のために、Webマーケティングの基本知識を解説していきます。
Webマーケティングとは
Webマーケティングとは、商品・サービスの認知度向上や商品の購入促進、集客などを目的に、WebサイトやSNS上でマーケティングを行うことです。
具体的には、SEOマーケティングやSNSマーケティング、各媒体への広告運用などの様々な手法を駆使して施策を行っていきます。
そもそも「マーケティング」とは、ユーザーに商品を手に取ってもらうためや、商品を売りこむために商品をPRし、売れる仕組みを作り上げていくことです。
今では気軽にインターネットに接続できるようになりましたが、画面の大きさなどからユーザーの行動に制約が出てしまうWeb上では、従来のアプローチ方法では効果や成果に直結しないという側面があり、「情報発信の方法」や、「ユーザーの誘導方法」「デザインやレイアウト」などを工夫して施策を行っていく必要があります。
このように、Webに特化したマーケティング活動をPDCAサイクルを回しながら行っていくことが、Webマーケティングの本質です。
ひとことで「Webマーケティング」といっても、担当する手法や施策の種類が多い点がWebマーケティングの大きな特徴です。
Webマーケターに向いている人
WebマーケターとしてWebマーケティングを仕事にしていくためには、スキルや経験も大切ですが、「コミュニケーション力」や「IT分野への関心」などが大切になります。
Webマーケターに向いている人の特徴として、以下に当てはまるような人は、比較的Webマーケターという仕事に向いているといえます。
- クライアントの思いや目的に寄り添える人
- 論理的な思考や分析が得意な人
- 常に主体的に考えて行動できる人
- IT分野に関心があり、変化を恐れない人
上記の特徴について、それぞれ以下に解説していきます。
クライアントの思いや目的に寄り添える人
「クライアントの思いや目的に寄り添える人」とは、クライアントのプロダクトや掲げる目標へ親身になって寄り添い、一緒にゴールを目指せる人です。
Webマーケティングには、「ターゲットの設定」「施策の検討」などのスキルが必要不可欠ですが、テンプレに沿ったような「提案」「施策」をこなすだけのようなやり方では、クライアントの心を掴むことはできません。
クライアントに寄り添ってクライアントの思いや目的を理解し、一緒にゴールを目指す姿勢こそが安定した案件の受注につながります。
論理的な思考や分析が得意な人
Webマーケティングでは、実行した施策に効果があったかどうかを見極めるために、Google Analyticsを始めとする様々なツールを使ってデータの分析・解析を行います。
期間やページなどの条件単位で数値を使ってデータを分析をしたり、論理的に理由づけをしながら議論することが得意な人は、Webマーケターに向いているといえるでしょう。
「Google Analyticsなどのツールを触ったことがない」という場合でも、自身で触ってみると意外と理解しやすいので、まずはツールの扱いに慣れるところから始めてみましょう。
常に主体的に考えて行動できる人
クライアントから好感を得やすいWebマーケターの特徴は、「常に主体的に考えて行動できる人」です。
Web領域に詳しくないクライアントにとって、課題や問題点などに対して具体的な改善案や施策を示してくれるWebマーケターはとても喜ばれます。クライアント側では見抜けない課題や問題点に対して、経験や知見に基づいて主体的に考えて提言をしてくれると、信頼感が増すためです。
これからWebマーケターとしてWebマーケティングの案件を獲得した際には、経験や知見に基づいて主体的に行動できているか振り返ってみましょう。
IT分野に関心があり、変化を恐れない人
Webに関わる職種全般に言えることですが、「Webマーケティングの実務経験がないので不安」という場合でも、IT分野に関心があり、新しい知識やスキルを吸収するのが苦ではない人は、Webマーケターとしても成功しやすいです。
Web業界は変化が多い業界なので、これまで最新だったツールや知見、技術がすぐに入れ替わります。
例えば、Webマーケティングの定番ともいえる「Google Analytics」は、ユーザーの行動やWeb環境が変化したことに合わせて「Google Analytics 4」に直近アップデートされました。このアップデートにより、これまでの「Google Analytics」とは全く違ったツールへと変化し、Webマーケティングの分析方法も大きく変わりました。
このような変化の多いWeb業界において、IT分野に関心があり、トレンドや傾向をおさえて吸収できるようなギークな人は、Webマーケティングの分野でも活躍できるでしょう。
Webマーケティングは未経験でも副業にできる？
「完全未経験でWebの知識はないけれど、Webマーケティングで稼げるの？」という方のために、Webマーケティングを未経験で始める場合のハードルや必要な経験値について解説していきます。
全くの未経験の場合は稼ぐまでのハードルが高い
結論、Webマーケティングは将来性があり、誰にでも稼げるチャンスがある職種ですが、「全くの未経験で今からすぐに副業で稼ぐ」というのはハードルが高いです。
クライアントは、WebサイトやSNSでの集客力、コンバージョン率（＝成果）の低さなどに課題を感じています。それらの問題点を解決するために改善案や施策を行うがWebマーケターの仕事ですが、目に見えない「サービス」を提供してクライアントに納得してもらうためには、Webマーケターのこれまでの「スキル」「実績」「信頼性」が何よりも重要になるからです。
このような理由から、Webマーケティングの仕事を獲得するには、以下のようなスキルが必要です。
- SEOマーケティングスキル
- 集客スキル
- 広告運用スキル
Web領域に関するあらゆる知見とスキルが必要であり、これらを思考・実行するためには多くの経験と実績が必要になります。
そのほかにも、以下のような能力・姿勢も重要です。
- トレンドや傾向を追う姿勢
- クライアントに対する営業力
- 課題や改善案・施策などの提案力
このように、最新のトレンドを押さえつつ、分析した結果やレポートに基づいてクライアントを動かすスキルも必要です。
「スキル」「提案力」のどちらも、十分な経験や実績を積まないとなかなか身につかないため、「全くの未経験で今からすぐに副業で稼ぐ」というのはハードルが高いのが実情です。
Webマーケターとしての就労経験は必要？
ここまで読んでみると「Webマーケティング、やっぱり難しそう…」と感じるかもしれません。
Webマーケティングを仕事にするためには、Webマーケターとしての就労経験が必要そうに見えますが、Webマーケターとしての就労経験は必ずしも必要ではありません。
具体的には、書籍やスクールなどを活用して学習したり、自身でオウンドメディアを運営するなどの実績・経験を積み上げることで、Webマーケティングのスキルを身につけることができます。
注意点としては、自身でゼロの状態からWebマーケティングのスキルを身につけた場合では、Webマーケティングに関する知識以外の「提案力」「営業力」などといったスキルもすべて自分で身につける必要があります。
これらの営業スキルは、Web業界での業務経験がないと身につきにくい部分でもあるため、将来的にステップアップして、プロのWebマーケターとして活動していくことを考えている場合は、一度Webマーケティングに関連する業種で就労経験を積んでおくと、スキルが定着し、案件を受注しやすくなるでしょう。
Webマーケティングの具体的な手法
ここまでWebマーケティングの基本知識を解説してきましたが、実際にWebマーケティングを行う手法を解説します。
Webマーケティングには数々の領域や手法がありますが、一般的な手法は主に以下の4つです。
- SEOマーケティング
- SNSマーケティング
- 広告運用（Web／SNS）
- オウンドメディアの運営
具体的にそれぞれ解説していきます。
SEOマーケティング
SEO（検索エンジン最適化）とは、WebサイトがGoogleなどの検索エンジンで上位に表示されるように、サイトの構成やコンテンツを整えるなどの施策を行うことです。
Webマーケティングの業務では、クライアントの公式サイトやオウンドメディアが、検索エンジンで上位表示されるように施策を行ったり、支援をします。
具体的には、以下のようなことが求められます。
- サイト戦略立案
- SEO最適化されたサイト設計
- 獲得すべきキーワードの分析
- トピッククラスター等の記事コンテンツの全体設計
- コンテンツの装飾（ユーザーが見やすいように装飾する）
- デザインやレイアウトの改善
- 内部リンクの設定（サイト内の他情報への導線を設定する）
- ページの表示速度の改善
などの「内部対策」を行ったり、Webサイト上のコンテンツの品質を改善するなどの施策を行うことが多く、「どうすればサイトのSEOを高められるか」「現状サイトに何が足りないのか」を分析しながらクライアントに提言し、施策を行っていきます。
施策の内容によってはWEBサイトを管理するエンジニアと一緒に実施する必要があるため、最低限のWEB知識が求められることも多いです。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、クライアントの公式SNSや運用アカウントの認知度を向上させたり、フォロワー数の増加、インプレッション数の増加に向けて施策を行うことです。
具体的には、以下のような施策・企画を行います。
- 投稿内容の企画
- SNSキャンペーンの企画
- 投稿スケジュールの立案
- フォロワーとのコミュニケーション
- レポート作成
SNS運用で明確な効果を出すためには中長期的な取り組みが必要であるため、数年単位で施策のサイクルを回していくことも多いです。
案件によっては単にSNSの施策を企画・立案するだけでなく、「SNS運用代行」として、クライアントから実際の投稿やフォロワーとのコミュニケーションなどを任される場合もあります。
広告運用（Web／SNS）
広告運用とは、検索エンジンやWebサイト、SNSなどにクライアントの広告を出稿し、クライアント・サービスの認知度向上やブランディングに最大限の効果を得られるように支援することです。
取り扱う運用広告は大きく分けで以下の3種類があり、ターゲットや広告の目的などで使い分けられます。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
それぞれの運用媒体の特性を理解したうえで、以下のような業務を行います。
- ターゲット・目的の設定
- 出稿する広告の企画
- 出稿する媒体の選定
- 結果の解析・改善の提案
- レポート作成
Webマーケティング全般にいえることですが、広告運用で最大限の効果を得るためには、特に想像力とアイデアが重要となる手法です。
オウンドメディアの運営
オウンドメディアとは、企業が自社で保有するメディアのことです。
聞き慣れないと何を指すのか想像しにくいかもしれませんが、商品やサービスを検索したときに表示されるコラムや活用例などが掲載されているもので、その企業が運営しているものであればオウンドメディアにあたります。
オウンドメディアの目的には、主に以下のようなものが挙げられます。
- 自社の商品・サービスを認知してもらう
- 自社の商品・サービスの売上をあげる
- 自社の商品・サービスのファンになってもらう
そのために幅広い情報を発信したり、ランキング形式でまとめるなどのコンテンツづくりを行い、間接的に商品やサービスをPRしていきます。
Webマーケターの仕事としては、
- Webサイト制作
- Webサイト管理
- コンテンツの企画・制作
- SEO対策
- アクセス分析・改善
などがあり、様々な施策を通じてオウンドメディアの成長をサポートします。
これらのスキルはWeb業界での業務経験がないとなかなか身につきにくいですが、自身のブログを立ち上げて運営することで、
- ユーザー層に合わせたコンテンツの企画
- SEO対策
- 広告媒体の選定
- アクセス分析
といったスキルを自分で獲得することも可能です。
未経験からWEBマーケティングで副業を始める方法
完全未経験の初心者が、副業Webマーケターとして稼ぐまでの流れを紹介します。
「Webの知識はないけれど、Webマーケティングを仕事にしたい…」というような未経験者がWebマーケティングの仕事を獲得できるようになるためのコツは、「自分のスキルや強みの理解」と「積極的なアウトプット」です。
結論から紹介すると、以下のようなステップになります。
- 自分のスキルや強みを理解する
- Webマーケティングスキルを身につける
- 実際に案件を受注し実績をつくる
それぞれのステップごとに、具体的に解説していきます。
【STEP.1】自分のスキルや強みを理解する
まずは、自身のスキルや強みを理解することが、Webマーケターとして安定して仕事を獲得するためのコツです。自分のスキルや強みを理解しておくと、今後のWebマーケターとしての打ち出し方を理解できたり、具体的にどんなスキルが足りないのかを理解できます。
先述したように、Webマーケティングの手法にはSEOマーケティング／SNSマーケティング／広告運用／オウンドメディアの運営など幅広い領域があり、Webマーケターによっても得意な領域が異なります。
また先述したように、Webマーケティングでは、Webに関する知識や実績も大切ですが、Web領域に詳しくないクライアントへ具体的な改善案や施策を伝える「提案力」「営業力」も大切です。
「Webの知識はないし、業務経験もない」という場合でも、
- 営業力
- 提案力
- コミュニケーション
- 分かりやすさ、丁寧さ
というような強みを持っている場合は、十分に差別化してWebマーケターとして戦える可能性があります。
【STEP.2】Webマーケティングスキルを身につける
自分のスキルや強みが見えてきたら、Webマーケティングの学習を進めましょう。
副業としてスキマ時間にWebマーケティングを学習していく場合は、以下の2種類の方法が一般的です。
- 書籍や動画などによる独学
- Webマーケティングのスクールに通う
自身で書籍を購入したり、YouTube動画などで独学で学習することもできますが、プロのWebマーケターとして活動していくことを考えている場合は、Webマーケティングを学習できるスクールを利用するのがおすすめです。
その他、自分自身でブログやWebメディアを立ち上げて運営する方法もあります。
ブログやWebメディアの運営には、
- Webサイトの構成や仕組みの理解
- Webサイト管理
- コンテンツ企画・制作
- SEO対策
- アクセス分析・改善
といった基本知識やスキルの理解が必要なので、Webマーケティングに必要な知識を体系的に、実践を通して習得できるメリットもあります。
ただし、ブログやWebメディアの運営はマイペースになりがちで、スキルの習得に時間がかかるケースも多いので、他の学習方法と組み合わせると効果的です。
【STEP.3】実際に案件を受注し実績をつくる
Webマーケティングの知識やスキルを身につけるには時間がかかりますが、ある程度のスキル習得が進んだら、実際に案件を受注し実績をつくっていきましょう。
実際の案件に取り掛かる目安としては、
- Webマーケティングの学習を6ヶ月以上続けている
- データや自身の意見を基にWebサイトの問題点や改善点をイメージできる
- ブログなどを運営して実践している
という場合には、案件を探し始めても問題ないでしょう。
「まともな実績がないので自信がない…」と踏みとどまりがちですが、とにかく行動し、Webマーケティングで大切な「経験」「実績」を増やしていくことが大切です。
副業でWebマーケティングの仕事を取る方法（営業方法）
副業Webマーケターとして案件を受注するには、主に以下の3つの方法があります。
- 友人・知人から仕事を受ける
- クラウドソーシングを活用する
- SNSを活用する
それぞれの案件獲得方法の特徴や、具体的な仕事の取り方を解説していきます。
友人・知人から仕事を受ける
最も簡単に実績を積みやすいのが、友人・知人から仕事を受ける方法です。
WebサイトやSNS集客などに悩みを持っているケースも多く、友人・知人経由で案件や企業を紹介してもらえるケースもあります。友人・知人から紹介される仕事では、大規模な案件よりも小規模な改善・分析の案件である場合も多いので、心理的なハードルも低いです。
直接契約となるため単価の交渉がしやすく、余分な手数料などを介さずに実績を積みやすいのがポイントです。
クラウドソーシングを活用する
副業としてでも安定して案件を探しやすいのが、クラウドソーシングを活用する方法です。
クラウドソーシングとは、業務を外部委託したい発注者と、特定のスキルを持つ受注者をマッチングするサービスです。
- 「Web領域に詳しくないので、課題や問題点などが分からない…」
- 「社内にWebに精通している人材がいない」
という悩みを抱えた企業が、外注先としてWebマーケターを探している場合も多く、規模を問わずに簡単にWebマーケティングの仕事を探せる特徴があります。
また、クラウドソーシングは短期的・単発的な案件も多いので、まとまった稼働時間を確保しにくい副業Webマーケターとの相性も良く、安定的に案件を探すことができるでしょう。
SNSを活用する
Webマーケティングと相性が良い集客方法が、SNSを活用する方法です。
SNSでWebマーケティングに関する情報を発信しておくと、クライアントはスキルのレベルや人となりを知った上で連絡ができるので、案件獲得のハードルが低くなります。
また、SNSのフォロワー数が多ければ、フォロワー数が増えるまでの施策や経緯もアピールできるため、Webマーケティングのスキルを表現できるなど相性が良いです。
副業Webマーケターとして初めからSNS経由で仕事を獲得するのはハードルが高いですが、Webマーケターとしての実績を示すツールとしても役立つため、初期からコツコツとSNSを運用するのがおすすめです。
まとめ
未経験でWebマーケティングを副業にする方法についてまとめると、以下の通りです。
- Webマーケティングとは、WebサイトやSNS上でマーケティングを行うこと
- クライアントに寄り添って論理的に分析できる人が向いている
- 全くの未経験の場合は稼ぐまでのハードルが高い
- Webマーケには様々な手法があり、実績と経験が大切
- 自身のスキルや強みを理解し積極的にアウトプットする
Webマーケティングは将来性があり、誰にでも稼げるチャンスがある職種ですが、「全くの未経験で今からすぐに副業で稼ぐ」というのはハードルが高いです。
とはいえ、Webマーケティングで本質的に大切なのは、クライアントのプロダクトや掲げる目標へ親身になって寄り添い、一緒にゴールを目指す姿勢です。
自分のスキルや強みを理解し、正しいステップで学習をすれば、未経験からでもWebマーケティングを副業にすることができるでしょう。
